窒化技術紹介

窒化処理って何!? 東海イオンの3大特徴

窒化技術紹介

ウルトラプラズマ窒化(Ultra Plasma Nitriding) プラズマ窒化(イオン窒化) HART処理 ミック処理(MIC処理)(特殊ガス浸浸硫窒化) ガス軟窒化 ガス窒化 竪型応力除去焼鈍
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ミック処理(MIC処理)(特殊ガス浸硫窒化)

耐摩耗性の向上に効果を発揮する優れた表面改質法!
個体潤滑性のある浸硫層を形成するため、滑りが非常に良くなります。
SUS(ステンレス鋼)の窒化も可能です。

ガス窒化・ガス軟窒化と同様、ミック処理(MIC処理)(特殊ガス浸硫窒化)も鋼種や被処理品の用途により処理サイクルが異なります。
基本の処理方法は「NH3+H2S=窒化性ガス+浸硫性ガス」の混合雰囲気ガス内において、400~580℃で加熱するというもの。これによって、基本的な下地となる硬く緻密な窒化化合物層(白層)や窒素拡散硬化層の上に、個体潤滑性のある浸硫層を2~3µm形成させます。
窒素濃度と硫黄濃度を別々に制御できるため、品質、コスト、量産性のどれをとっても、他の浸硫窒化法に勝ります。また、ガス窒化では処理できないSUS(ステンレス鋼)の窒化も可能です。

(SKD61×625)ミック処理した表面組織写真(特殊ガス浸硫窒化)
(SKD61×625)
ミック処理した表面組織写真(特殊ガス浸硫窒化)

用途

  • 金型全般、産業機械部品、工具、ポンプ部品など。

特徴

  • 処理温度が低いため、歪みが小さい。
  • 500µmまで拡散層が得られる。
  • 多種の材質に適合し、材質によりHmV400~1,200の幅広い硬度が得られる。
  • 耐摩耗性・耐疲労性・耐食性が良好。特に耐焼付性、耐カジリ性に優れる。

動画紹介

各種材質の表面硬度

材質 表面硬度
HmV(100g)
(最表層部)
HRC
(換算)
HS
(換算)
炭素鋼 S35C,S45C 600~800 55~64 74~88
SK5 550~800 52~64 69~88
合金鋼 SCM415 700~900 60~67 81~95
SCM440 650~900 57~674 77~95
窒化鋼 SACM645 900~1,200 67< 95<
バネ鋼 SUP 650~750 - -
ステンレス鋼 SUS304 1,000~1,300 - -
SUS420J2 1,000~1,300 - -
熱間金型鋼 SKD61 1,000~1,200 - -
冷間金型鋼 SKD11,12 1,000~1,200 - -
プラスチック金型鋼 HPM,NAK 750~900 - -

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耐摩耗性について

下地となっている硬く緻密な窒化層と、表面に形成された潤滑性のある浸硫層の組み合わせが、特に耐摩耗性を向上させます。窒化層が耐摩耗性に強力な役目を果たす上に、浸硫層が摩擦抵抗を低下させるのです。そのため、他の処理法に比べ、耐摩耗性が非常に優れています。

耐摩耗性について

SUS(ステンレス鋼)の窒化について

SUS(ステンレス鋼)の窒化について

SUSの表面には強固な不動態膜(主に酸化クロム<Cr2O3>)が形成されており、前処理なしではなかなか窒化されません。そこで、弊社では480~580℃の幅広い温度領域で処理を行い、硫化水素(H2S)を使用することにより、SUSの不動態膜が還元・除去され、窒化されるようになりました。

※ SUS剥離性:SUSを窒化すると圧縮応力の関係上、剥離することがあるため、弊社では剥離防止の処理も行っています。

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ガス軟窒化

無公害かつ短時間で有効な品質を実現!量産部品に最適な加工!
金属表面に炭窒化物を形成させるため、きれいに仕上がります。
主に低級鋼を対象としています。

ガス軟窒化は、塩浴(ソルトバス)を用いた塩浴軟窒化にシアンの公害問題が起きた時、その代替技術として開発されました。ガス窒化とはまったく別の処理です。
処理方法は、まず急熱型変性ガス(Endo gas)あるいは有機溶剤の熱分解ガスなどの浸炭性ガス、あるいは窒素ガスを雰囲気中にアンモニアガスを30〜50%添加します。そして、550~600℃の比較的低温で1~5時間加熱保持し、窒素を侵入拡散、表面に炭窒化物を形成させるというもの。この炭素が、窒素の拡散を促進する役割を担っており、ガス窒化との大きな違いとなります。

プラズマ窒化(イオン窒化)
(SCM435×100)
560℃で3時間ガス軟窒化した表面組織写真

用途

  • 自動車部品、OA部品、ミシン部品など。

特徴

  • 短時間で処理ができ、経済的。
  • 耐摩耗性・耐疲労性・耐焼付性が良好。
  • ポーラスを生成しにくいため、きれいな表面に仕上がる(カスがない)。
  • 合金元素が少ない材質には浸炭も行うため、ガス窒化よりも高い硬度が得られる。

ガス窒化とガス軟窒化の比較表

窒化法 ガス窒化 ガス軟窒化
材質 高級鋼
SACM、SKH、SKD、SCM、SUP
低級鋼
SPC、炭素鋼、鋳鉄、STKM
目的の組織 拡散層
Al、CrとNとの化合物層
(Fe-Al-N、Fe-Cr-N)
化合物層
FeとNとの化合物層
(Fe3N、Fe4N)
硬化層の深さ 深い
0.1~0.8mm
浅い
8~15μm
表面硬度 高い
HV700~1,200
低い
HV400~700
処理時間 長い
25~100h
短い
90~150min
用途 単発部品
金型類、ドライブシャフト、
エジェクターピン、カム
量産部品、OA部品、
自動車部品、ミシン部品

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ガス窒化

深い硬化層がほしい時は、耐摩耗性も良好なガス窒化!
500℃付近の低温域で処理するため、素材の性質を損ないません。
主に高級鋼を対象としています。

1923年、ドイツ・クルップ社のアドルフ・フリーによって発見された、世界初の窒化処理法です。
500~580℃の低温で加熱することで起こる、アンモニアの分解ガスによって処理。分解時の窒素は金属の表面に吸着され、内部に拡散して窒化層を作ります。アンモニアの分解率は30%前後で、これにより、硬く深い硬化層が得られます。また、歪みが小さいのも特徴です。
通常の処理時間は50~(150)時間と長いのが欠点ですが、弊社では25時間~と比較的短時間で処理できます。

プラズマ窒化(イオン窒化)
(SCM645×400)
520℃で3時間ガス窒化処理した表面組織写真

用途

  • 産業機械部品、自動車部品、船・航空機部品など

特徴

  • 低温処理のため、硬く深い硬化層が得られる。また、歪みが小さい。
  • 耐摩耗性・耐疲労性が良好。
  • 最表面層の状態をコントロールすることはできるが、白層がつきやすいため、後に加工が必要。

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竪型応力除去焼鈍

あらゆるサイズの製品に対応できる大型・竪型炉!
製品を吊るす、あるいは立たせて処理するため、
余分な残留応力を残さずに均一に残留応力除去します。長尺物も対応可能です。

応力除去焼鈍は鋳造、溶接、塑性加工、機械加工などによって生じた「残留応力の除去」を目的とした熱処理で、窒化処理の前に行います。竪型製品を吊るす、あるいは立たせて処理をする竪型であれば、窒化の際、歪みや振れを極小化することができます。また、弊社の炉はサイリスタ制御機能にしており、均一に温度が上昇。そのため、全ての製品に対して温度のムラがなく、高品質に仕上がります。炉のサイズはφ790×4,000L(~2t)あり、ピストンロッド、段ロール、スピンドル、シャフトなどの長尺物にも対応可能です。

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